さつまいもが砂糖不要なほど甘くなる、その仕組みをやさしく解説
スイートポテトって、そもそもさつまいもがメインの素材よね。なのに市販品や多くのレシピには砂糖がたっぷり入っている。さつまいも自体があんなに甘いのに、どうして砂糖が必要なの? そう思ったことがあるんじゃないかしら。
実はさつまいもは加熱方法によって、甘さがまるで変わる食材なの。低温でじっくり加熱すると、でんぷんを麦芽糖に変えるアミラーゼという酵素が活性化して、甘さが驚くほど引き出される。電子レンジで一気に加熱するより、オーブンでゆっくり焼いたさつまいもの方がずっと甘く感じるのはそのため。砂糖を加えなくてもちゃんと甘いスイートポテトが作れるのは、この仕組みがあるからよ。
さつまいもに含まれる栄養素
さつまいもは炭水化物が多い食材だから、糖質制限中は避けがちかもしれない。でも含まれている栄養素を知ると、上手に取り入れたくなるはず。
食物繊維が豊富なのが、さつまいもの大きな特徴のひとつ。水溶性と不溶性、両方の食物繊維を含んでいて、腸内環境を整える働きが期待されている。食物繊維は糖の吸収をゆるやかにする役割もあるから、白米や白いパンよりも食後の血糖値の上昇がおだやかになりやすいとされているわ。
ビタミンCも比較的豊富に含まれている。さつまいものビタミンCはでんぷんに包まれているため、加熱による損失が少ないとも言われていて、加熱調理してもある程度残りやすい特性がある。肌の土台となるコラーゲンの合成に関わる栄養素として、美容意識が高い方に注目されているビタミンね。
カリウムも豊富。余分なナトリウムを体外に出すのを助ける働きがあるとされていて、むくみが気になる時期に積極的に摂りたいミネラルのひとつ。
ビタミンEも含まれていて、抗酸化作用があるとされている。さつまいもの黄色い色素にはβカロテンも含まれていて、体内でビタミンAに変換される。肌や粘膜の健康をサポートする栄養素として、美容の観点からも頼りになる食材よ。
バターと卵黄が風味とコクを作る理由
砂糖を使わない分、コクと風味はバターと卵黄が担う。バターの乳脂肪がさつまいもの甘みをまろやかに包んで、ぐっとリッチな味わいに仕上げてくれる。
卵黄はツヤ出しの役割だけじゃなく、レシチンという乳化成分を含んでいるから、バターとさつまいもをなめらかにつなぐ働きもしている。表面に塗る卵黄が焼けてあの美しい黄金色になるのは、卵黄のたんぱく質とラカントがメイラード反応を起こすから。砂糖がなくても、ラカントを使えばちゃんとあの艶やかな仕上がりになるわ。
生クリームの代わりに豆乳を使う選択肢
乳製品が気になる方や乳アレルギーがある方には、生クリームの代わりに豆乳を使う方法もある。豆乳に含まれる大豆たんぱく質と大豆イソフラボンについては記事4でも触れたけれど、さつまいもと組み合わせても風味の相性はいいわ。ただし豆乳は水分量が多いから、生クリームより少し少なめに加えて硬さを調整するのがコツ。
材料(8個分)
- さつまいも 400g(正味)
- 無塩バター 30g
- ラカントS 大さじ2(さつまいもの甘さで調整)
- 生クリーム 大さじ3
- 卵黄 2個分(1個は生地用、1個はツヤ出し用)
- バニラエッセンス 少々
- 塩 ひとつまみ
作り方
下準備 さつまいもはよく洗い、皮付きのままアルミホイルで包んでオーブン160℃で60〜70分じっくり焼く。電子レンジより時間はかかるけれど、この工程が甘さを最大限に引き出す肝心なステップ。時間がある時に作って。
1. さつまいもを裏ごしする 焼き上がったさつまいもを熱いうちに皮をむき、裏ごし器やフードプロセッサーでなめらかにする。ここで丁寧に裏ごしするほど、仕上がりの口どけが上品になるわ。
2. 材料を合わせる 裏ごしたさつまいもにバター、ラカントS、生クリーム、卵黄1個分、バニラエッセンス、塩を加えて混ぜ合わせる。全体がなめらかにまとまればOK。さつまいもの甘さによってラカントの量を加減して。
3. 成形する 生地を8等分にして、手で俵型や丸型に成形する。生地が柔らかくて扱いにくい場合は、冷蔵庫で30分ほど冷やすと成形しやすくなるわ。
4. ツヤ出しをして焼く 天板にクッキングシートを敷いて成形した生地を並べ、溶いた卵黄を表面にはけで塗る。200℃のオーブンで15〜20分、表面が美しい黄金色になるまで焼いたら完成よ。
こうしたら失敗した
電子レンジで加熱したさつまいもで作ったら、甘さが全然足りなくて物足りない仕上がりになってしまった。砂糖なしのレシピだから、さつまいもの甘さがすべてを決める。オーブンでじっくり焼く工程だけは絶対に省かないで、と痛感したの…。時間がない時は前日に焼いておいて冷蔵庫で保存しておくと、翌日スムーズに作れるわよ。
生地が柔らかすぎて成形できずに、べたべたと手にくっつきまくったことがある(笑)。生クリームを入れすぎてしまったのが原因。生クリームはさつまいもの状態を見ながら少しずつ加えるのが正解ね。一度に全量入れてしまうと取り返しがつかないから要注意。
卵黄のツヤ出しを厚塗りしすぎて、焼いたら卵の膜みたいになってしまったことも。薄く均一に塗るのがきれいな仕上がりのコツ。はけがない場合はスプーンの背でそっと伸ばすだけでもOKよ。
裏ごしが甘くて繊維が残ったまま焼いたら、口当たりがざらついてしまった。さつまいもの繊維質はしっかり除かないと食感を損なうから、面倒でも裏ごしは丁寧にやってほしいな。フードプロセッサーでも繊維が残ることがあるから、最後に裏ごし器で仕上げるとより滑らかになるわ。
焼き色をきれいにつけようと高温にしすぎたら、表面だけ焦げて中が冷たいままだったことがある。200℃で焼く前に生地が室温に戻っているかを確認して。冷蔵庫から出したばかりの冷たい生地は、中心まで火が通りにくいのよね。
保存方法
焼き上がったスイートポテトは冷蔵で3日、冷凍で3週間ほど保存できる。冷凍する場合は粗熱が取れてから1個ずつラップで包んで保存袋へ。食べる前日に冷蔵庫へ移して自然解凍し、オーブントースターで軽く温めると焼きたてに近い風味と食感が戻ってくる。お弁当やちょっとした手土産にも使いやすいスイーツよ。

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